東炊き染めの生みの親―川合染工場を訪ねて

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東京都墨田区。下町の風情が残る住宅街で東炊きはつくられています。

有名ブランドのファブリックも手掛ける、確かな技術をもった川合染工場。

ここでglazきっての人気シリーズ、「東炊き染め」は生まれました。




安さ・早さが繊維業界に求められた戦後―

しかし川合染工場の川合社長は考えました。
「ものづくりの原点とはなんだろう?」

そんな思いから江戸時代の染色技法を研究し、生み出したのが「東炊き染め(あずまだきぞめ)」でした。

自然のものを自然の方法で染める-それが着心地の良さにつながる。
川合社長のその思いが、優しい風合いのリネンをわたしたちに届けてくれます。

「江戸時代の染色技法で、東京のものづくりの誇りを伝えたい」という思いから名づけられた「東炊き」

その染色工程を川合社長が案内してくださいました。










まず下準備として不揃いな反物を一定の長さに揃えながら巻き直します。
巻き取るための機械は、東炊きのために導入したそう。


染める前の生地。麻らしいシャリ感のある手触り







東炊き最大のポイントの染色。
通常の染色で使用されるものよりより小さい釜に生地と染料を入れ、およそ4時間かけて染めていきます。

この釜の中で撹拌しながら生地が揉まれることで、麻とは思えないしなやかな風合いに仕上がります。

この風合いを出すために小さな釜を使用するので、一度に染められる量に限りがあり
完成までに時間がかかるわけですね。


工場の中にはたくさんの染料が並びます



染料の配合を記録したノート。
「某有名ブランドの生地の配合はこれですよ」と特別に見せてくださいました。






染めあがった生地は脱水後、乾燥へ。
生地により天日干しと機械干しを使い分けます。
天日干しの場合、乾燥だけで約一日かかるそう。
乾燥を終えれば染めあがりです。


工場の2階にある乾燥室は企業秘密!




こうして時間をかけて丁寧に染められた東炊き。
少量ずつ染められるため、染めあがりはひと釜ごとに微妙に異なってきます。
一期一会の風合いなのです。

「一生懸命染めたから、一生懸命服を作ってくれるところに使ってほしい」と川合社長は言います。

にこやかな表情の下に熱い思いを秘めた、そんな職人さんたちが染めているからこそ、
さらっとしているのにぬくもりを感じる、
他にはないやさしい着心地の麻が生まれるのかもしれません。